■花粉症の鍼灸治療

花粉症の鍼灸治療 いろいろな病気と鍼灸治療

今回は国民の4割以上がかかっているといわれる花粉症についてです

●花粉症の時期

春が近づくと花粉症が気になりますね

関東でのスギ花粉の飛散は2月の中旬から始まり、2月の後半から本格化、GW頃まで続きます.

またイネ科の植物やブタクサなどの花粉に反応する場合は、年中悩まされることになります

●花粉症の症状と発症のメカニズム

■花粉症の症状としては、

・くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった鼻のアレルギー症状

・目のかゆみ、充血といった目のアレルギー症状

・皮膚の荒れ、喉の痛み、咳

などの症状があらわれます

■原因はスギを主として、ヒノキ、ブタクサなどの花粉に対するアレルギー反応です

人間の免疫機能は細菌やウイルスなど害のあるものをやっつけるはたらきをもっていますが、時に無害なものにも過剰な反応をして体に症状が出てしまうことがあり、それをアレルギー反応と呼びます

■通常ものごとにはアクセルとブレーキがつきものでそれでバランスをとっているものですが、免疫機能にもアクセルとブレーキがあります

アクセル役の免疫細胞は外部からの侵入物の刺激を受けて炎症を起こす物質を放出します

ブレーキ役の免疫細胞(制御性T細胞など)は、アクセル役の免疫細胞に働きかけて炎症反応を抑え、傷ついた組織の修復をおこなう働きがあります

<参照>『免疫と「病」の科学』 宮沢昌之、定岡恵 著 ブルーバックス2018年 P104~

■アレルギー反応は、過去に異物として体が認識したものを免疫系が記憶していて(獲得免疫)、再びそれが侵入してきたときに過剰に反応してしまうわけですが、その時にブレーキが効きにくくなっている状態と言えるでしょう

●花粉症の症状を抑える対処法

■免疫の反応が強く出過ぎる、

つまり免疫のアクセルが強く踏まれすぎてブレーキが効きにくくなっている状態を抑えるためには、

①原因物質との接触を避ける(アクセルを緩める)

②免疫機能の状態を整える(アクセルとブレーキのバランスをとる)

③薬による対症療法(外部からブレーキをかける/アクセルの反応を緩やかにする)

という対処法に整理できます

■対処法① 極力花粉に接しない

► 防御する : マスク、めがね、帽子

► 持ち込まない : 外出は花粉が付着しにくい素材のコートで

► 除去する : 帰ったら顔についた花粉を洗う、うがいをする(軽く鼻うがいも)

► 掃除する : 小まめに掃除機をかけて室内の花粉を減らす

■対処法② 免疫機能のバランスを整える

► 睡眠をしっかりとる(時間と質) 

► バランスよく食べる(いろいろな食材を偏らずに・腹八分目で)

► 適度に運動する(日中に、ちょっと息が上がるくらいの軽い運動を)

これらを無理のない範囲で工夫していくことで、ストレスや疲れの影響を受けにくくなり、免疫機能のバランスも取れて過剰な反応も抑えられていきます

●対処法③ 薬物療法

► 抗ヒスタミン薬/亢ロイコトリエン薬 鼻噴霧用ステロイド薬・・・対症療法

► アレルゲン免疫療法・・・原因物質に対する過敏性を抑え症状を和らげる治療法、免疫舌下療法など 症状の少ない季節に開始し年間休まず3~4年の継続治療が必要

■根本的な対策としては日常の習慣として<対処法② 免疫機能のバランスを整える>が大切になってきます

●花粉症の鍼灸治療

■花粉症に対する鍼灸治療は、

► 対症療法(対処法③相当:標治法)でつらい症状を抑えながら、

► 臓腑のはたらきを良くし、全身の気や血の流れの滞りを解消することで免疫機能のバランスを整えていく(対処法②相当:本治法)

というアプローチを取ります

■免疫機能のバランスを整えることが鍼灸治療の主役は、免疫系と強い繋がりをもつ【手の陽明大腸経】といわれる経脈です

さらに、その表裏の関係にあり、皮膚や呼吸器を通じて免疫機能と関わる【手の太陰肺経】、同じ太陰経で【肺経】のはたらきを支える【足の太陰脾経】が大きく関わります

■免疫のバランスが崩れるときは臓腑としての【大腸】や【脾】や【肺】に乱れが出ている場合が多いです

そこで、まずはその臓腑と経絡を整えるためにお腹や手足のツボを使って鍼やお灸で治療をし、弱っている臓腑を元気づけ、流れの滞っている経絡を通します

そうすることで臓腑経絡全体のバランスが取れ、免疫機能の乱れも落ち着いてきます

■さらに、つらい症状に対する対症療法として手や腕にあるツボを中心に治療を行っていきます

【魚際】 鼻づまり

【合谷】 目・炎症

【手三里】 皮膚や粘膜の炎症

など

■鍼灸治療も病院での薬物療法と同じく、症状が軽いうちに、出来れば症状が出る前に始めるのが効果的です

●花粉症に効くツボ

■それでは、花粉症の症状に対して効果の見込め、ご自分で試すことが出来るツボをご紹介します

●鼻炎・鼻づまりに【魚際】

■【魚際】は手の親指の付け根のふくらみ(母指球)の際にあります

鼻につながりのある手太陰肺経の栄火穴で鼻の炎症を抑えます

<ツボの取り方>

親指の付け根の手のひらのふくらみ(母指球)のやや外側で、骨(第一中手骨)の中央の手のひら側、骨の脇の押すと凹むところ

母指球を魚の腹と見立て、その際(赤白肉際)にあります

<刺激の仕方>

指先で押していくとその奥にかすかに脈動が感じられます(橈骨動脈の枝、母指主動脈)

そこに向けて、親指と人差し指の爪の先を摘まむようにしっかり合わせて魚際の表面に置き、1mm程度小さく爪の先を開きながら脈動を感じるくらいまで沈めていきます(脈動を感じられない場合は3mm~5mm程度、魚際の皮膚の表面から沈めていく感じで)

そのまま、鼻の奥に血が通ったような感じがして詰まった鼻が通るまで、3分程度じっくり待ちます

●目の炎症に【合谷】

■【合谷】は手の甲の都と差し指と親指の付け根と手首の間にあるツボで、炎症や痛みに対して効果があります

また、合谷は顔面や目につながっているので、ここを刺激することで、かゆみなどの目の炎症を抑える効果が期待できます

詳しくは下の記事をご覧ください

■頭痛に効くツボ【合谷】【中渚】【後渓】 | 相模大野ひよこ堂鍼灸院

●免疫を整えるツボ【曲池】

■【曲池】は肘を曲げたところにあり、皮膚や目の炎症にも効果があるツボです。免疫に関係が強い大腸につながり、免疫を整えます。

花粉症による目や鼻の炎症にも効果が期待できます

ご家庭では、長生灸や千年灸などで刺激をするのがいいでしょう

花粉症の時期だけでなく、日常的にお灸を続けると免疫機能が安定して風邪もひきにくくなり健康も維持できます

詳しくは下の記事をご覧ください

■【免疫を整える】ツボ・曲池(きょくち) | 相模大野ひよこ堂鍼灸院

■参考情報■

花粉症とは~原因 症状 治療 予防対策~ | メディカルノート

■内容は以上です

それでは、また♪

相模大野ひよこ堂鍼灸院 院長🐤


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