■【肩を緩める】月刊ひよこ堂 2025年11月号

月刊ひよこ堂11月号 月刊ひよこ堂

■今年は夏から秋を通り過ぎて急に冬が来たような変な気候です。皆さま、体調など崩されていませんでしょうか?

●11月の過ごし方

■寒くなるこれからの季節は風邪が猛威をふるいます

秋は東洋医学では【燥】つまり乾燥の影響が強く、また臓腑としては乾燥に弱い【肺】の季節で呼吸器に症状が出やすく、やはり風邪に注意ということになります

今年は早くもインフルエンザが大流行しているようです。気温の急な変化で身体も不安定なので免疫も落ち、余計にかかりやすいのだと思います

■風邪対策といえば、

・手洗い・うがい・顔洗い

・湿度を保つ

・よく寝る、疲れを取る

・体を冷やさない

・バランスの取れた食事を摂る

といったことが挙げられますが、

「体を冷やさない」に関して言えば、首の付け根から背中の肩の間にかけての部分を風から守って冷やさないことが大切です

■首の後ろの付け根あたりは【風邪(ふうじゃ)】が体に侵入してくるところで、実際の鍼灸の施術でも風邪の引き始めなどで良く使うところです

首元をマフラーで守っていると思った以上に温かいですよね

■襟元から抜けていく体の熱気を逃がさない効果も大きいですが、首の後ろの付け根には寒冷時に熱を作って体温を上昇させる【褐色脂肪細胞】もあるので、首元を外気から守ることは余計に効果的なのだと思われます

私も面倒くさがらずに今年はマフラーをしようと思います

●11月の鳥<ムクドリ>

■ムクドリは秋から冬にかけての夕暮れ時、街路樹のまわりに黒雲のような数千~数万の大集団で飛び回りギャーギャーうるさい、あの鳥です

あまりきれいな鳥ではありませんが、日中に草原でちょこちょこつがいで遊んでいる分には結構可愛げがあります

でも、やっぱりあの大集団は、ちょっと怖いですね・・・

●【特集】<肩を緩める>肩の構造と動かし方

■肩の構造といっても、日頃はあまり気にしていないですよね

何となく、肩って首の骨の付け根からつながっているんじゃないか、とイメージしていませんか?

■実は、肩は骨としては鎖骨でしかつながっていません

骨だけでみれば、肩はぶらぶらの構造をしているのです

あとは後頭部や首の骨(頸椎)、背骨(胸椎)、肋骨や腕の骨(上腕骨)と複雑に筋肉でつながっていて、その構造が肩の自由度の高い複雑な動きを作り出しているのです

■肩を動かす構造を骨とその動きの視点でみると、大きく3つに分けることができます。

1.肩関節(腕の付け根の動き) 

2.肩甲骨と鎖骨(首の付け根から肩にかけての動き)

3.肋骨と胸椎(胸と背中を使った大きな動き、呼吸)

■早速、この構造と動きをイメージしながら肩を動かしていこうと思います

肩の構造を理解してイメージしながら動かすと、動きにメリハリが出て、ストレッチなども効果的になります

※強い痛みを感じる場合は無理をせずに中止してください

■1.肩関節を動かす

■まずは肩関節を軽く回して動かします

【動作1】肩関節を小さくまわす

1.肩関節に反対の手の指先を添える

2.肩関節を中心に肘で小さく円を描くように軽くまわす

3.肩から下方向45度くらいを軸にする

4.肩の高さから30度より上がらないように小さく回す

5.前まわし5回、後ろ回し5回

・添えた指先と円を描く肘にだけ意識を向けて軽く、力まずに

・肩甲骨は動かないイメージをしながら回しましょう

■2.肩甲骨を動かす

■次に肩甲骨を動かしていきます

【動作2】鎖骨を支点に肩甲骨を動かす

1.喉の下の鎖骨の付け根に反対側の手の指先を添える

2.鎖骨の付け根を中心に肘を肩の高さの上下45度くらいで大きくまわす

3.前まわし5回、後ろ回し5回

・鎖骨の先で肩甲骨が肋骨に沿って大きく動いているのを感じましょう

・頭と背骨と肋骨は出来るだけ動かないイメージで

・軽く大きく動く範囲で、気持ちよく緩める感じ

・大きく動かなくても無理はしないこと。心地いい範囲に留めます

※無理をすると筋肉が緊張して却って緩みません。肩を痛める可能性もあるのでくれぐれもご注意ください

■3.肋骨を動かす

■さらに肋骨まで使って大きく動かしていきます

【動作3】胸の真ん中から肋骨を動かす

1.反対側の手を喉の下からさらに下へ、指先を胸の真ん中に添える

2.肩の側面にとても大きな皿があって、その縁に肘を沿わせて動かしていくイメージ

3.前まわし5回、後ろ回し5回

・頭から腰にかけての体の軸は出来るだけ真っ直ぐをキープします

・背骨や胸骨に対して肋骨が動いているのを感じましょう

・背骨の奥、胸の深いところに効いてきます

■4.【動作1~3】左右とも行う

■5.最後に両肩を軽くゆすってリラックス

以上です。

■いかがでしょうか。

肩の緩みを感じられましたか?

呼吸も少し楽になったかもしれません。

■ポイントは

・しっかり構造と動きをイメージすること

・肘の動かし方に注意を向けて力まずに動かすこと

・出来るだけ体の中心軸(へその下(丹田)から頭の中心(目の奥)の軸)がぶれないようにして動かすこと

です。

是非、体の構造がダイナミックに動く感覚を味わいながら試してみてください。

●肩こりに効くツボ【肩外兪】

■首の後ろから肩甲骨の上部にかけてのコリに効くツボ【肩外兪】をご紹介します

■<効果>

■【肩外兪】は、首の骨(頸椎)の一番上、後頭部のすぐ下から肩甲骨の上部の内側にかけてつながる【肩甲挙筋】という筋肉の肩甲骨側の付け根にあたります

首から肩にかけてコリを訴える方の多くに、この肩甲挙筋の緊張が見られます

■【肩外兪】は、東洋医学的な経絡・経穴の効果として肩こりに効くだけではありません

緊張した【肩甲挙筋】の付け根を刺激することで<自己抑制(Ⅰb抑制)>という機能によって筋肉がゆるむ生理学的効果も期待できます

■また、【肩外兪】は首~肩の表層を覆う【僧帽筋】や、首の付け根周辺の頸椎・胸椎(背骨)と肩甲骨の内側をつなぐ【菱形筋】の付着部とも近いので、広い範囲への効果が期待出来るのです

■<ツボの取り方>

1.肩の背中側を片手で探り固い骨の部分(肩甲骨の上部)を探します

2.その骨を内側に伝っていき、肩甲骨の上部内側の角の斜め内上が【肩外兪】です

・場所はだいたいで構いません

・肩甲骨の角の骨際、硬い筋肉の付け根のすぐ下の比較的柔らかいところです

・ああ、ここが効きそうだな、という感じの場所で大丈夫です

※正確な取穴方法は別にありますので、興味のある方は専門の書籍などで調べてみてください

■<刺激の仕方>

1.人差し指の先に中指の先を添えて【肩外兪】に当てます

2.肩甲骨の角の骨際に指先をじわーっと沈めていきます

3.そのまま20秒程度維持します

・強くギューとは押さずに、じんわりと骨の下に潜り込ませる感じで!

是非、試してみてください。

 

■今月号の内容は以上です。

「よい睡眠」、「適度に運動」、「おいしくご飯」

今月も健やかに参りましょう!

それでは、また♪

相模大野ひよこ堂鍼灸院 院長


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