今回は頭痛についてまとめます
■頭痛の種類
■頭痛は多くの方が経験する症状ですが原因はさまざまです
大きく分けて頭痛は2種類に分類されます
■一次性頭痛
病気が原因ではないもの
片頭痛や緊張型頭痛など、つらい症状はあるものの、それだけでは命に関わることのないもの
■二次性頭痛
病気が原因となっているもの
脳血管障害(脳出血、クモ膜下出血、脳梗塞など)、髄膜炎、脳炎など治療が遅れると命に関わるものもあり
風邪による発熱、鼻の奥の空洞で炎症が起こる急性副鼻腔炎、眼圧が急上昇して起こる急性緑内障発作なども含まれる
■命に関わる頭痛の症状
■突然これまで経験したことの無い(バットで殴られたような)激しい頭痛が起きた場合はクモ膜下出血の可能性があります。ためらわず、すぐに救急車を呼んでください
また、吐き気、嘔吐、手足が動かない、意識障害、痙攣、いつもと様子がおかしいなどの症状を伴う場合も、一刻を争う場合があるので迷わず119番に連絡して指示を仰ぎましょう
●救急車を呼んだらいいか迷ったときは●
・【大人】救急安心センター相談窓口 tel #7119
・【こども】こども医療電話相談窓口 tel #8000
■頭痛と鍼灸治療
■鍼灸が得意とするのは、片頭痛や緊張型頭痛などの一次性頭痛です
いわゆる気象病や起立性調節障害、更年期障害などの自律神経やホルモンバランスに起因するものも含まれます
■また二次性頭痛についても、急性副鼻腔炎や急性緑内障発作などについては医療機関で急性期の処置を受けたあと、病院での治療と平行して鍼灸治療を受けることで炎症を抑えて慢性化を防ぎ、症状を緩和していくことが出来きます
<参考>頭痛:医師が考える原因と対処法|症状辞典 | メディカルノート
■緊張型頭痛と片頭痛
■慢性的な頭痛には、緊張型頭痛と片頭痛があります
今回は多くの方が悩まれている緊張型頭痛と片頭痛についてみていきたいと思います
(一定の期間に極めて激しい頭痛に襲われる群発性頭痛についてはこの記事では扱いません。)
■緊張型頭痛
■その名のとおり頭部の筋肉の過度の緊張によって引き起こされる頭痛で、日常的に長く同じ姿勢でパソコンに向かい過ぎたり、ストレスで体の緊張が続いていたり、寝不足や運動不足でも起こりがちです
締め付けられるような、重い、圧迫されるような痛みです。
部位は側頭部や頭頂部~後頭部にかけて起こることが多く、大抵は頭部の筋肉に連なる首や肩のこりを伴います
また体を動かすことで悪化することはなく、むしろ筋肉の緊張を緩めるので痛みの改善には有効です
■対処として以下の方法が挙げられます
・同じ姿勢を続けない
・小まめにストレッチや軽い運動を
・適温のお風呂に入ってリラックス
体と心の緊張を小まめに取り除くリフレッシュが肝要で、もちろん睡眠をしっかり取ることも大切です
■片頭痛
■頭の中の血管が拡張することによって引き起こされるとされていますが、詳しいメカニズムは不明です
前頭部から側頭部にかけてズキンズキンと脈打つような痛みが起こります
頭痛の他に、吐き気があったり、光や音やにおいに敏感になったりします
また前兆としてキラキラした光が見える場合もあります(閃輝暗点)
■緊張型頭痛とは反対に、体を動かすと痛みが起きたり強くなったりするというのが特徴です
また、生理周期と関連する場合も多く、片頭痛は閉経後に治まってくるといわれています
なお、筋緊張性頭痛との混合型の場合もあるようです
■対処法として以下のことが挙げられます
・人混みや強い光などの刺激を避ける
・睡眠をしっかり取る
・疲れやストレスを貯めこまない
日頃からストレスや疲れを貯めこまないように、リラックスできる時間を作って小まめにリセットすることが大切です
ご褒美として甘いものをちょっと頂くのもありだと思います
■頭痛の鍼灸治療
■鍼灸治療のアプローチ
治療の概要としては、
1.頭痛の症状自体を抑える
2.症状の原因の重要な要素となっている体や心の緊張をやわらげる
3.臓腑や経絡を元気づけたり余分な気を取り去ってバランスをとり、気や血のめぐりを良くする
という構成になります
頭痛そのものだけでなく、全体を整えていくことで頭痛や身体の変調が出にくい体に落ち着かせていくというアプローチをします
■診察
■まずは問診で筋緊張によるものか、片頭痛なのか、気象病や起立性調節障害、更年期障害など自律神経やホルモンバランスに起因するものなのか、副鼻腔炎などの頭部・顔面の炎症からくるものなのかの当たりをつけます
その後、脈診や触診、顔や舌などの視診で五臓や経絡の状態を診ることで、問診での内容と併せて全体の状態を見極めます
■緊張型頭痛の治療
■筋緊張が主であれば、<筋>を司り、<ストレス>に関わる【肝】や【胆】という臓腑や経絡に異常があることが多いです
大抵の場合、肩こりや目の疲れを伴います
■具体的アプローチ(例)
・膝の内側やお腹、背中の経穴で調子を崩している【肝】を元気づけ、流れを整える
・手首や足の経穴を使ってストレスからくる胸のつかえを取り、通りを良くする
・手の経穴を使って遠隔治療によって頭痛を抑える
・後頭部付け根の経穴を使って筋の緊張を緩め、脳への血流を上げる
その他、肩こりなどの症状に応じて筋肉の緊張を緩める施術を行います
また、調子を崩しているのが【肝】やその経絡とは限りません。その人の状態に応じて【脾】や【腎】などを中心に据える場合もあります
■片頭痛の治療
■片頭痛の場合は、同じくストレスや疲労の影響を受ける【肝】、さらにその【肝】からダメージを受ける【脾】に異常がある場合が多いです
■具体的アプローチ(例)
・手足やお腹、背中の経穴で、調子を崩している【脾】と【肝】を元気づけ、流れを整える
・心理的ストレス反応が見られる場合は、手首の内側にある経穴で胸の中のもやもやを取る
・手首や手の甲/足の甲にある経穴を使い、遠隔治療によって頭痛を抑える
・必要に応じて三陰交などの経穴を使い、生理に関わるバランスを整える
その他、血流が悪く淀んでいたり、血の巡りが悪い場合は、その状態に合わせて治療穴を追加します
また、調子を崩しているのが【脾】、【肝】やその経絡とは限らないので、その人の状態に応じて【腎】などを中心に据えて元気を補います
■同じ緊張型頭痛や片頭痛でも、人それぞれ状態は異なります。
症状名で治療内容が決定されるのではく、それぞれの状態を診て、そこに合わせた治療を行うのが東洋医学/鍼灸治療の特徴であり、実際に効果につながる強みでもあります
なかなか治らない慢性の頭痛を抱えられている方、お近くの鍼灸院をお訪ね頂くのも一つの手段かと思います。是非お試しください
心と体が楽になる、お気に入りの鍼灸院に出会われることをお祈り申し上げます🐤
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ここまでお読み頂きありがとうございました
内容は以上です
相模大野ひよこ堂鍼灸院 院長🐤
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■頭痛の時に効果のあるツボについては、こちらの記事を参考にしてください🐤
■頭痛に効くツボ【合谷】【中渚】【後渓】 | 相模大野ひよこ堂鍼灸院

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