■9月に入りましたが、まだまだ暑い日が続きます。
皆さま、いかがお過ごしですか?
●9月の暦
■9月は和風月名で【長月】(ながつき)です。
秋の夜長を意味する「夜長月」から来たといわれています。
■春夏秋冬をさらに六等分してた二十四節気では、9月6日頃に朝の冷え込むようになる【白露】(はくろ)、9月23日頃が昼と夜の長さが等しくなる【秋分】となります。
暑さは続いても日の長さは確実に短くなっていきます。朝夕が少しづつ過ごしやすくなっていくといいですね。
●今月の花鳥風月【キジバト】
■ハトといえば、公園などで人を恐れることなく集団で傍若無人にうろつく例の奴らを思い浮かべますが、あれは【ドバト】(カワラバト)という種類のハトです。
もともと家禽、つまり昔に人に飼われていたものが野生化したものなので奴らは人を恐れない、というわけです。
奴らにも面白いところがあるのですが、今回は別の種類のハト、【キジバト】(雉鳩)です。

■キジバトは別名ヤマバトとも言われ、確かに開けた感じの森とか林が近いところで声を聴くことが多いですが、住宅地でも仲良く夫婦でいる姿をよく見かけます。
ドバトに対して少し小柄で細身な感じ。地味な色合いと羽の模様の感じが特徴です。
雌の雉(キジ)に色味が似ていることからキジバトというのだそうです。
■朝方や夕暮れ時に
デーデー・ポッポー デーデー・ポッポー
と低く鳴いている、あれがキジバト。
この何とも言葉にできない子供の頃の切ない感覚、郷愁をそそる鳴き声が結構好きです。
●気象病とその対処法
■ところで、秋といえば台風です。
台風や低気圧が近づくと急に気圧が低下し、頭痛やめまい、倦怠感などの体の不調が出る場合があります。それを一般に【気象病】と言います。
気象病が起きるメカニズム
■気象病が発生するメカニズムはまだはっきりとは分かっていません。
体のまわりの気圧と体の中の圧力が釣り合った状態で我々は生活していますが、急にまわりから押えている気圧が低下することで、体の調節機能(=自律神経)が乱れるというのが一般的な理解のようです。
急な気温の変化、湿度の変化も気象病の原因とされており、外部環境の急激な変化による自律神経の不調と広くとらえることも出来ます。
■気象病による頭痛については、脳内の神経の過剰な興奮と血管の急な拡張とが関わっているといわれています。
これは片頭痛といわれる「ズキン、ズキン」という痛みです。
一般に片頭痛が起こるのは20代から40代の女性が多く、女性ホルモンとの関係も深いと考えられていますが、確かにこの世代の女性で気象病を感じる方は多いようです。
気象病の対処法
■気象病の治療は、頭痛に対しては鎮痛薬、めまいに対しては抗めまい薬などの対症療法が中心とされています。
薬で症状がおさまる場合はそれに越したことはないですが、自律神経のバランスはいろいろな要因やメカニズムが絡み合って成り立っているので薬でも治まらない場合も多々あるようです。
■発症メカニズムが良く分かっていないだけに、根本的な治療も難しい状況です。
自律神経がゆったりとしっかりと働いてくれる状態を整えてあげて、症状が出ないように、出ても軽く収まるようにすることが大切です。
①【修復】しっかりと睡眠をとる
■睡眠は体の疲れを取るだけでなく、一日中はたらいて疲弊した自律神経系を修復してくれます。
逆に、睡眠不足が日常化していると自律神経が回復しないまま翌日を迎え、働きが強過ぎたり弱すぎたりしてバランスが崩れやすくなってしまします。
・いつもより30分早く布団に入る
・早く目が覚めてもそのまま二度寝
など、睡眠時間をしっかり確保する工夫をいろいろ試してみてください。
快適な睡眠についての過去の記事も載せておきますので、ご参考にしてください。
■日常生活を送る中でストレスから逃れるのは、なかなか難しいものがあります。
ここで重要なのは、【ストレスがかかった状態を継続させない】ということです。
交感神経が亢進してストレスに対処している状態が続くと、どこかで破綻してバランスを崩し、頭痛やめまいや強い倦怠感などの症状に陥ってしまいます。
■交感神経の緊張が長く続いている状態から、急に休んで気をゆるめるとそこで症状が一気に強く出る、という場合もあります。
その前にリラックスモードを積極的に作って小まめにガス抜きしてあげることが大切なのです。
・帰宅後にぬるめのお風呂にゆったり浸かる
・ゆるく心地のいいストレッチをやる
・寝る前に足三里のお灸をする(おすすめ)
など、自分に合ったリラックス方法を見つけて、出来るだけ毎日小まめにガス抜きをするように心がけましょう。
■緊張を解く呼吸法も有効です
以下の記事にまとめてありますので是非試してみてください。
<医療情報・出典>
天気の変化で起こる頭痛のメカニズムとは~受診の目安と様子を見る場合の対処方法~ | メディカルノート
●側頭部の頭痛に【中渚】
■気象病から来る頭痛は、側頭部で脈打つような片頭痛が多いと言われています。
側頭部に繋がる経絡は【足の少陽胆経】ですが、同じ少陽経で交感神経への影響も強い【手の少陽三焦経】にあるツボ【中渚】(ちゅうしょ)をご紹介します。
片頭痛だけでなく、側頭部を締め付けられるような鈍い頭痛(筋緊張性頭痛)にも効果があります。
側頭部以外の頭痛については、改めて記事にまとめる予定なのでしばらくお待ちください。
(気になる方は前頭部の頭痛には【合谷】(ごうこく)、後頭部や頭頂部の頭痛には【後渓】(こうけい)を調べて試してみてください。)
■<ツボの取り方>
側頭部が痛い方の手を軽く握ります。
薬指と小指の付け根の関節(第3関節)の間から手の甲側にすこし指を滑らせます。
そこで指先が沈み込む骨の間の凹んだところが【中渚】です。

■<刺激の仕方>
1.人差し指の先をまっすぐツボに当てる
2.親指をつまむようにそこに添えてツボに軽く押し当てる
この時、中指の先を支えるように横に添えると安定します
3.ツボの表面を親指と人差し指の先でツボの皮膚の表面を感じながら2ミリ程度、軽く押し開きます
指先の感覚が鋭い方は軽い脈動のようなものをツボの反応として感じると思います
4.そのままツボに指先を軽く当てた状態で、効果が出るまで2~3分待ちます。
首を左右に倒してストレッチしながら刺激すると首肩こりにも効果が期待できます。

■今月号の内容は以上です。
「よい睡眠」、「適度に運動」、「おいしくご飯」
今月も健やかに参りましょう!
それでは、また♪
相模大野ひよこ堂鍼灸院 院長
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