■スマホの操作で親指が痛い、使いづらいと感じている方は結構いるのではないでしょうか。重量のあるスマホを支えながら片手で操作する時には親指にかなりの負担がかかってしまいます。
しかも、操作しているときは画面に夢中になっているので自分の親指の悲鳴に気が付きません。(これはスマホ操作時の腕の疲れ、肩こり、目の疲れすべてに共通して言えることですが。。。)
その他、重いフライパンを片手で使うことが多いとか、PCを使う時にちょっと無理な姿勢でマウスを操作してるとか、気が付かないうちに親指を酷使しているものです。
■そのうちに親指が動かしずらい、動かすと痛い、動かせない、などといった症状が出てきます。腱鞘炎、あるいはその一歩手前の状態です。
そんなときの対処法をご紹介します。
■使うツボは【列缺(れっけつ)】です。
手首の親指側にあります。
【列缺(列欠)】は親指を動かす筋肉の腱が並ぶ隙間にあり、その要である【列缺】を使って親指の動きを改善するわけです。
【列缺】はその他にも、喉の痛み(【手の太陰肺経・絡穴】)、頭から首筋にかけての症状を取ったり(【四総穴】頭項ハ列缺ニ尋ネ)、呼吸(八脈交会穴・任脈の宗穴)と、さまざまな効果があるとても重要なツボです。
【ツボの取り方】
■手首の親指側に骨のでっぱりがあります。(俗称:橈骨茎状突起、解剖学的には橈骨遠位端部)
手の甲を上にして見た時に、手首の内側の真横(側面)の突起です。(人差し指の延長線上にもでっぱりがありますので間違えないようにお願いします)
■その骨の突起の一番出っ張っているところから親指半分だけ肘の方に行ったところが【列缺】です。
親指を大きく開くとそこにスジがあります。(短母指伸筋腱)
その手のひらの方に並んでもう一本(少し分かりづらいですが)スジ(長母指外転筋腱)があって、【列缺】はその隙間に取ります。
※親指を大きく開いたりして動かすと分かりやすいのですが、痛いときは無理をしないでください。分かりにくいときは親指の真ん中から骨の突起に伸びるスジのすぐ脇でかまいません。
【刺激の仕方】
■【列缺】に人差し指の先を当てて、親指を添えるようにつまむように添えて、並んだ二本のスジを1~2mm程度軽く押し開くようにします。
あまり強く当てないように、柔らかく、けれどしっかりと当てて、そっとスジを押し開く感じです。
■その状態のまま、痛みのある親指をゆっくりと動かします。
ゆっくりと開いたり、閉じたり
ゆっくりとまわしたり
リハビリをしているようなイメージです。
■決して、痛みをこらえながら親指を動かさないようにしてください。
痛みを体が覚えて拒絶したり、緊張が強くなったりする場合があります。
ちょっと突っ張るかなー、とか、ちょっと痛いかなー、の手前くらい
無理せず、ゆっくり、
親指の声を聴きながら、相談しながら、
じっくり、あせらずリハビリしていきましょう。
かならず痛みも動きも改善してくると思います。
■実際の鍼灸治療では、【列缺】に鍼を軽く打って、この動作を行ってもらいます。
【運動鍼】と呼ばれる技法です。
症状が重い場合は、お近くの鍼灸院でやってもらえるかもしれません。
効果は出やすいと思います。
(どういう技法で対応するかは鍼灸院によるかと思いますのでお問い合わせを。)
■とはいっても、毎日鍼灸院に通うわけにはいかないので、当院では、こういうやり方で毎日ご自分でリハビリをやって頂くように患者さんにお願いしております。
あと大事なのは、日常動作で親指に負担のかかるクセに気が付いて、その負担を軽くする工夫をしていくこと。
とくにスマホの親指操作は負荷がかかりやすいので、両手で操作して人差し指を使うとか、使う頻度を減らすとか、ご自分がやりやすい方法を探してみてください。
それでは、また🐤
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※この記事は一般的なツボの効果について記載しています。体の状態によっては、正確にツボの場所を刺激しても効果が出ない場合もあります。本来は鍼灸師が実際に体の状態を診てツボを選ぶものなので、さらに一歩進みたい方は是非お近くの鍼灸院をお訪ねください🐤
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