■月刊ひよこ堂 【2024年12月号】
皆さま、いかがお過ごしですか?
■12月に入りました。寒さも本番を迎えましたね。
12月は旧暦では師走(しわす)といいます。
年末の大忙しで師匠や先生まで走り出すと思いがちですが、ここでいう「師」とはお坊さんのことのようです。
お盆と同じくこの時期にお経をあげるお坊さんが大忙しになるので「師馳す」→「師走(しわす)」なのだそうです。
■また今年は12月21日が冬至で、お日様が出ている時間が一番短い日です。
ちなみに東京の冬至の日の出は6:47、日の入りは16:32で、なるほど日が暮れるのも早いはず。
しかしながら冬至を越えればお日様も次第に顔を出す時間が延びていき、何となく寂しくなっていた気分も徐々に明るくなってくる気がします。
年越しの前に明るい兆しを感じるというのは、ちょっといい塩梅ですね。
■さて、冬至といえば、ゆず湯です。
ゆずを絞って皮ごと湯船に浮かべれば、柑橘系の香りも手伝ってポカポカと温かくお風呂を頂くことができます。
この時期、寒さも厳しくなり空気も乾燥して風邪をひきやすいので、ゆず湯に入って気道を保湿しつつ体を温めようという古くからの知恵なのだと思います。
■柑橘系に含まれるビタミンCは抗酸化作用があり細胞の劣化を防ぎ、またコラーゲンの生成を助けて皮膚を健康に保ちます。
もちろんビタミンCは口からの摂取も大切なので、この時期は特に心がけてみるのも良いと思います。
いわいる皮膚だけでなく、呼吸器や消化器系の粘膜も外部に接する「上皮」ですから、「皮」を守ることは風邪をひきにくくなるというのも道理です。
(サプリメントでのビタミンCの大量摂取は体調不良になることがあるのでご注意ください)
■東洋医学的には皮膚は衛気をめぐらせ外邪から体をまもる臓器なので、皮膚の健康維持=風邪をひきにくくなる、ということになります。
皮膚の健康ということでいうと、昭和の人は「乾布摩擦」なんてものを覚えていらっしゃるかもしれません。手ぬぐいで腕や上半身をこする健康法です。
今ではすっかり廃れてしまいましたが、皮膚の血行を良くするということでいうと結構意味があったのかもしれませんね。
■風邪の予防は
・温かくして体を冷やさない(特に首元、手先、足先)
・乾燥を防ぎ湿度を保つ
・しっかり睡眠をとる
・栄養のバランスの取れた食事をとる
が基本ですが、
コロナが全盛期の頃に学んだ
・手洗いうがいの励行(無意識に手が触れる顔も)
・空気の淀んだところでの換気
・人ごみの中でのマスク着用
などの対策も引き続き大切です。
■今月のツボ【曲池】(きょくち)
免疫のはたらきを整え、風邪をひきにくくする効果が見込めるツボで、肘を曲げたところにあります。
【曲池】が属する陽明大腸経は消化器に関連し、特に曲池は胃腸の臓器に働きかける作用を持ちます。また、肺・皮膚を主る太陰肺経とは対になる関係にあります。
■そういうわけで【曲池】は、皮膚病、喉の炎症、腹痛・下痢などに使われるツボなのですが、皮膚も喉も胃や腸の粘膜も外部と接していて(※)、それぞれ体の内部を守る役割を持っています。
その体の内部を守る役割の一躍を担うのが免疫機能であり、特に大腸は免疫機能の重要な器官であることから【曲池】は免疫と大きく関わるということになります。
(※喉は外気と接しているし、胃や腸が接する飲食物も体の外の物です)
私自身も風邪っぽいかな、というときは自分で【曲池】にお灸を据えています。そこから悪化することは稀なので、実感として効果はあると思います。
<ツボの取り方>
■肘を強く曲げたときにできるしわの先端。その先の肘の骨の内側との間にある触れると少し凹んだ感じのするところ。
<刺激の仕方>
■指先で軽く(あくまでも軽く)押さえるようにして刺激するのも良いですが、やはりお灸が一番です。
せんねん灸の類(長生灸のライトがお勧め)をしっかり熱を感じるまで2~3壮続けてやるのがいいでしょう。
自律神経も落ち着いて気分も少し楽になるかと思います。
是非お試しください。
■今月号の内容は以上です。
「よい睡眠」、「適度に運動」、「おいしくご飯」
今月も健やかに参りましょう!
それでは、また♪
相模大野ひよこ堂鍼灸院 院長🐤
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