■月刊ひよこ堂【2024年9月号】

月刊ひよこ堂2024年9月号・彼岸花 月刊ひよこ堂
月刊ひよこ堂2024年9月号は気象病について・9月の花・彼岸花

皆さま、いかがお過ごしですか?

■9月に入ります。

旧暦では長月といいます。

夜の時間が長くなるので「長夜月」から「長月」となったという説が有力なようです。

まだまだ残暑が続くなあ、などと思いながら夕方に店の看板を仕舞おうとして、ふと日が暮れるのが意外に早いことに気が付く今日この頃。

季節は確実に動いています。

■さて、これを書いている時点で台風10号はまだ紀伊半島の沖あたりをうろうろしていて関東・東海の太平洋沿岸部にも大雨の影響を与え続けています。

50数年生きてきてこういう台風の動きは覚えがなくて気候変動の激しさを改めて実感します。

これ以上、被害が大きくならないことを切に願います。

■台風と言えば、気圧の変動です。

低気圧がくると昔の傷が痛む、という話は昔からよく聞きましたが、ここ20年くらいで【気象病】という言葉が一般化して、気圧の急変による体の不調がおきるという理解が深まってきました。

症状としては、一般に頭痛や関節痛、動悸、めまい、気分の落ち込み、集中力の低下などが挙げられます。

■【気象病】の明確な原因とメカニズムは解明されていませんが、もともと人の体は大気圧に対して体の中の圧力でバランスをとっているわけですが、そのバランスをとる自律神経の機能が気圧の急激な変化に追いつかないことで起こる、と考えられています。

しかしながら、医学情報サイトをみても薬による対症療法しか挙げられないのが現状のようです。

で、どうすればいいかというと、出来るだけストレスを遠ざけ、体を休め、しっかりと睡眠をとって神経を休める、ということになります。

■生活の知恵としては梅干しが効く、という人もいます。

梅干しは思い浮かべるだけで唾液が出てきますが、これは副交感神経(第Ⅸ脳神経・舌咽神経の一部)のはたらきで、梅干しの栄養学的効果、というよりはあの酸っぱい刺激が弱っている自律神経を元気づける効果があるのかもしれません。

一時的な対症療法としては試してみる価値ありか、と思います。

■東洋医学では気候の悪影響に関して【外邪】という考え方があります。【風】【寒】【暑】【湿】【燥】【火(熱)】という六気のどれかが強いときに、体の元気(【衛気】:体の表面で外邪から守る力)が足りないと、この外邪の侵入を許してして調子を崩す、と考えられているのです。

いま話題にしている【気象病】の原因を思われる気圧の変化は東洋医学が発展した古代中国内陸部で問題になるものであったのか、よくわからないのですが、内容からすると【風】に近いです。しかし【風】は文字通り「風に当たりすぎるとからだを壊す(風邪をひく)」というもので、ちょっと違うようです。

■けれど、外から来る【外邪】に対して、それが体の中に生じる【内生五邪】というものがあって、【風】に対する【内風】がもしかすると東洋医学観点での【気象病】を含む概念なのかもしれません。

【陰】(≒身体のはたらきを抑える【副交感神経】)の働きによる抑制が効かなくなり、風にあおられるが如く、身体的にも精神的にもふらふらしてしまう。という【内風】の病態に近いものを感じます。

■実際、体のふらふら=吐き気、めまい、心のふらふら=気分の落ち込み、集中力の低下に対しては、【風】に関連する【肝】の属する厥陰の経である【内関】(手の厥陰心包経)が効きます。

頭痛(偏頭痛)に関しても【足の厥陰肝経】の裏にあたる【足の少陽胆経】のツボ、【足臨泣】で効果がでる場合があります。

■【内関】は自律神経の不安定な状態を和らげ、【足臨泣】は側頭部や眼につながりをもち遠いところから痛みや緊張を取るはたらきがあります。

それぞれ試してみてください。

●【内関】(ないかん)

<対応する症状>

吐き気、めまい、気分の落ち込み、集中力の低下、イライラ・もやもや

<ツボの取り方>

手首の内側、手首の曲がるところの深いしわから指3本(第一関節部)の幅で肘の方にいったところ。手首の真ん中の二本のスジの間(太いスジの小指側)

<刺激方法>

反対側の親指と人差し指の先端でやさしく摘まむようにして皮膚の表面の薄皮にそっと乗せ、2mm程度やさしく広げてのばす感覚で。

そのままゆっくり呼吸しながら2、3分待ちます。胸の真ん中のもやもやにつながってスーっと楽になるイメージです。

●【足臨泣】(あしりんきゅう)

<対応する症状>

側頭部、後頭部の頭痛

<ツボの取り方>

足の小指と薬指から足の甲につながる2本の骨の間のくぼみをさすり上げて止まるところ。骨の合流部。足首の曲がるところと小指・薬指の付け根とのほぼ中間地点。小指から伸びる腱の外側。

<刺激方法>

手の親指と人差し指の先端でつまむような形を作り、骨の隙間の小さなエリアにしっかり当て、ゆっくり呼吸しながら2、3分待つ。指先に脈打つような感じを捉える。指をあてる力を緩めたり強めたりして調節する。

うまく刺激が通れば、側頭部や眼に反応を感じます。

■さて、話はがらりと変わりますが、未だにお米が手に入らないですね。

9月の上旬から順次新米が流通し始めるといいますが、手に入らないとなるとすぐに買いたくなるのが道理で、しばらく状況は変わらなさそう。

朝にしかたなく食パンでしのいでみたのですが力が出ないし、小麦に弱いのか、おなかの調子までイマイチです。

そこで女房が餅ならあるよ、とグッドアイデアを授けてくれたので、しばらくはこれで生き延びるつもりです。

ちなみに娘は嬉々としてサツマイモを食べています。

なんだかんだ言って、米以外に食べるものがあるのは、ありがたいことですね。

あらためて今の時代に感謝です。 

■今月号の内容は以上です。

気候の変化を乗り切って、元気な秋を迎えましょう。

それでは、また♪

相模大野ひよこ堂鍼灸院 院長🐤

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